森の焙煎録 #1 なぜ私は森の中で焙煎をするのか。

鳥の声を聞きながら焙煎機のスイッチを入れる。
東京都と聞くと、多くの方は高層ビルが立ち並ぶ街並みを思い浮かべるかもしれません。
けれど、東京にも豊かな森があります。
焙煎所を構えるのは、西多摩の自然に囲まれた場所です。
四季の移ろいを感じ、鳥のさえずりや風に揺れる木々の音を聞きながら、一粒一粒のコーヒー豆と向き合っています。
だからといって、「森だから美味しいコーヒーになる」と言いたいわけではありません。
大切なのは、慌ただしい日常から少し離れ、豆の変化にしっかりと向き合える環境があることです。
焙煎は、ほんの少し火力を変えるだけで表情が変わります。数十秒の違いで、甘さが増すこともあれば、香りの印象が変わることもあります。
だから私は、焙煎を「作業」ではなく、「対話」だと考えています。
「今日は、この豆がどんな表情を見せてくれるだろう。」そんな気持ちで焙煎機の前に立っています。優美珈琲が目指しているのは、強い苦味や派手な個性ではありません。大切にしているのは、クリーンな味わい、やさしい甘さ、そして透明感です。
一口飲んだ瞬間だけではなく、飲み終えたあとに「また飲みたい」と思っていただける一杯を届けたい。その思いで、日々焙煎を続けています。
ご注文をいただいてから焙煎するのも、その一杯をできるだけ良い状態で楽しんでいただきたいからです。
大量生産ではなく、一袋ずつ丁寧に。効率よりも、お客様のカップに届く美味しさを大切にしています。
これからこの「森の焙煎録」では、焙煎のこと、生豆との出会い、日々の試行錯誤、そしてコーヒーの楽しさを、飾らない言葉で綴っていきます。
一杯のコーヒーの向こう側にある物語も、一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。次回は、「私が目指す、甘さと透明感のあるコーヒー」についてお話ししたいと思います。
森の焙煎所 優美珈琲東京・西多摩の自然に囲まれた焙煎所で、一杯一杯、ご注文ごとに焙煎しています。「クリーンカップ・甘さ・透明感」を大切に、日々コーヒーと向き合っています。


コメント